走査電子顕微鏡(SEM)Scanning Electron Microscope

走査電子顕微鏡(SEM)は、試料の表面に電子線を照射して観察することにより、微細な表面形状や組成、結晶方位を観察することができます。

原理

試料表面に電子線を照射すると、二次電子・反射電子・X線・光が発生します。SEMは、細く絞った電子線を試料表面に走査し、二次電子によって形状を、反射電子によって組成の違いを観察する装置です。

電子線と物質との相互作用
電子線と物質との相互作用

特徴

  • 低加速電圧で観察することにより、極表面の形状を数nmの分解能で観察できます。
  • 二次電子と反射電子をミックスすることにより、形状と組成を同時に反映させた像を得ることができます。
  • 低真空で観察することより、絶縁物を無蒸着で観察できます。
  • 電子線照射によって発生した元素に固有な特性X線を、エネルギー分散型X線分光装置(EDS)で検出することにより元素分析が可能です。
  • 70度に傾けた試料に電子ビームを当てると、入射した電子ビームが試料内部で散乱します。散乱した電子は個々の結晶で回折し、この回折による電子後方散乱回折パターン(EBSD Pattern)から結晶方位を解析します。
極低エネルギーSEM
SEM概略図

用途

  • 半導体チップの断面観察
  • 半導体ワイヤボンディングの合金層の成長具合を観察
  • 合金層の組成比を分析(EDS)
  • 結晶方位の解析(EBSD)からひずみを推測
  • 電位コントラストによるコンタクトチェーン不良箇所の特定

事例

SEM観察

市販のLEDの金属電極断面をSEMで観察しました。低加速電圧で反射電子像を観察することにより、金属薄膜の結晶の状態を観察できています。

金属薄膜電極の反射電子像
金属薄膜電極の反射電子像

EDSマッピング分析

金属薄膜電極の
二次電子像
金属薄膜電極の
二次電子像
金属薄膜電極の
二次電子像
同一視野 W像
金属薄膜電極の
二次電子像
同一視野 Rh像
金属薄膜電極の
二次電子像
同一視野 In像

EDS分析では、加速電圧15kVでの分析が広く行われています。しかし、高い加速電圧では一次電子が試料内に数µmも侵入するため、X線が発生する領域が広がってしまい、分解能が下がります。
元素に応じて加速電圧を最適な値に下げることにより、高分解能でEDSマッピング分析を行うことができます。この分析では、50nmの金属薄膜のW,Rh,Inの各層を分離して観察することができます。

試料内への電子の侵入深さをモンテカルロシミュレーション
試料内への電子の侵入深さをモンテカルロシミュレーション(CASINO)

[ 更新日:2022/03/30 ]

分析に関するお問い合わせ

お問い合わせ

よくあるご質問

依頼に関するお問い合わせ

入力フォームはこちらから

電話番号・メールアドレス

トップに戻る