多孔性軟質材料(紙)の断面観察事例Cross Section Observation of Soft Porous Materials
多孔質でかつ軟質な物質で構成された紙などの材料を観察する場合、一般的な断面作製方法の切断や研磨では、加工時の変形が大きく、観察に適さない場合があります。断面イオンミリングによる低ダメージ加工は、加工変形を最小限にできるため、断面観察による詳細な構造を把握することができます。
多孔質でかつ軟質な物質で構成された紙などの材料を観察する場合、一般的な断面作製方法の切断や研磨では、加工時の変形が大きく、観察に適さない場合があります。断面イオンミリングによる低ダメージ加工は、加工変形を最小限にできるため、断面観察による詳細な構造を把握することができます。
SEM: Scanning Electron Microscope(走査電子顕微鏡)
はさみ切断
加工の影響を大きく受け、セルロース繊維の構造が維持されず、充填粒子の分布が不鮮明で、空隙もほとんど分かりません。
断面イオンミリング
セルロース繊維の積層構造や充填剤粒子の分散状態が明瞭に確認できます。また、空隙も鮮明に見えています。
EDS: Energy Dispersive X-ray Spectroscopy (エネルギー分散型X線分光)
はさみ切断
加工の影響を大きく受け(表面の凹凸が激しいため)、各元素の分布が不鮮明であり、空隙がほとんど分かりません。
断面イオンミリング
内部のセルロース繊維および充填剤粒子の分散が明瞭に確認でき、空隙も鮮明に確認できます。
[ 更新日:2024/02/26 ]
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