LC/MSによるリポソームの組成分析Composition Analysis of Liposome by LC/MS

製剤の品質管理として、リポソームの脂質組成や不純物成分の把握が求められています。
今回、リポソームにおける構成成分の組成および保管期間による経時変化を把握することを目的として、液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)にて測定した事例をご紹介します。

評価に用いたリポソーム

評価に用いたリポソーム
調製後


リポソーム構成成分
 • リン脂質:HSPC (DSPC+PSPC)1)
 • PEG修飾剤:DSPE-PEG20002)
 • コレステロール(CH)3)

ご提供元:千葉大学大学院薬学研究院製剤工学研究室 東先生

リポソーム構成成分の組成

◆BPI(Base Peak Ion)クロマトグラム

各成分の分離に成功

リポソーム構成成分のBPIクロマトグラム
リポソーム構成成分のBPIクロマトグラム

◆定量結果(mol%)

リポソーム構成成分の定量結果
リポソーム構成成分の定量結果

リポソーム構成成分の組成が
明らかになりました

リポソームの経時変化

◆BPIクロマトグラムとフラグメント解析による推定構造式

リポソーム調製直後


リポソーム調製直後
BPIクロマトグラムと推定構造式



保管

リポソーム約1年経過後

経時変化によるコレステロールの変質を確認!

リポソーム約1年経過後
BPIクロマトグラムと推定構造式

経時変化により、コレステロールが消失し、酸化体が生成していることが分かりました


当社ではリポソーム製剤の品質管理におけるLC/MSの活用に取り組んでいます


1) hydrogenated soybean phosphatidylcholine
  1,2-Distearoyl-sn-glycero-3-phosphocholine
  1-Palmitoyl-2-stearoyl-sn-glycero-3-phosphocholine
2) 1,2-distearoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine-N-[methoxy(polyethylene glycol)-2000
3) Cholesterol

[ 更新日:2024/11/13 ]

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