液体クロマトグラフィー飛行時間型質量分析Liquid Chromatography / Time of Flight Mass Spectrometry

液体クロマトグラフィー飛行時間型質量分析(LC/TOF-MS)では、微量有機成分の定性・定量が可能です。分子イオンの精密質量数が分かることから、組成演算により、化学組成式を高い精度で算出できます。さらに、MS/MS測定によるフラグメントイオンから、部分構造情報を得ることができるため構造解析が可能です。

原理

混合試料溶液中の各成分は、移動相およびカラムとの相互作用の違いにより分離されます。分離された各成分をイオン化した後に質量分析計へ導入し、質量分離します。

(1) 分子関連イオンの精密質量解析

イオン化された分子関連イオンは、飛行時間型質量分析計(TOF-MS)で質量分離されます。
得られた精密質量から組成演算を行うことで、化学組成式が得られます。

LC/MSの概略図
LC/MSの概略図 〔(1) 分子関連イオンの精密質量解析〕

(2) MS/MS測定による構造解析

イオン化された分子関連イオンは、四重極でほかのイオンと分離され、コリジョンセルの中に入ります。
セル内でアルゴン分子(Ar)と衝突解離し、フラグメントイオンを生成します。
これを飛行時間型質量分析計(TOF-MS)で質量分離し、構造情報を得ることができます。

質量分析部の概略図
質量分析部の概略図 〔(2) MS/MS測定による構造解析〕

特徴

  • 高感度
  • 熱に不安定、難揮発成分の定性・定量
  • 高質量分解能 : >22500 (@m/z 956)
  • MS/MS測定による構造解析が可能

用途

  • レジスト材料中の添加剤の分析
  • 高分子材料中のヒンダードアミン系光安定剤(HALS)など、その他添加剤の定性分析
  • フラーレン誘導体中の不純物の構造解析
  • 木質バイオマス糖化液中不純物の分析
  • LCD表示不良の原因調査
  • 有機ELパネル 発光材料Alq3中の不純物の構造解析
  • リチウムイオン二次電池電解液中の微量劣化成分の分析

事例 添加剤の分析

(1) 分子イオンの精密質量測定 → 組成演算解析

組成演算解析

マススペクトルから得られた組成演算結果より、成分Aの組成式はC34H50O8であることが分かりました。

(2) MS/MSによる構造決定

m/z 604のMS/MSスペクトル

m/z 604を選択し、コリジョンセル内でフラグメンテーションさせました。
得られたMS/MSスペクトルより、成分Aの構造は下記であることが分かりました。

Irganox 245

[ 更新日:2022/03/30 ]

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