高濃度マトリックス中に含まれる微量成分の分析Analysis of Trace Component in High Concentration Matrix

TOF-SIMSは、高感度で有機、無機成分の情報を得ることができます。しかし、高感度のため、高濃度成分(たとえばバルク)が検出器に入ってしまうと、検出器が飽和してしまい、正確な情報(面内の濃度分布や深さ方向のプロファイル)が得られない問題がありました。
ダイナミックレンジ拡張(EDR: Extended Dynamic Range)機能を使うことで、高濃度成分のイオンを減衰させ、真値に近い情報を得ることができます。

EDR概略図

EDRは、飽和する高濃度成分を事前に登録し、1/10または1/100に減衰させカウントした後に補正することで、飽和しない真の値の信号強度を取得できる手法です。

飛行時間型質量検出
飛行時間型質量検出
EDRユニット拡大図

事例

Si中B,Geの深さ方向分析

EDRの効果を確認するため、SiにB(ホウ素)およびGe(ゲルマニウム)をドープした試料をEDRの有無で深さ方向分析し、プロファイルを比較しました

試料構造
試料構造
Si中B,Geの深さ方向分析

Si上のNa表面分析

EDRの効果を確認するため、SiウェーハをNa(ナトリウム)で強制的に汚染した試料をEDRの有無で表面測定し、結果を比較しました。

Si上のNa表面分析
EDR有無での表面測定

[ 更新日:2024/02/26 ]

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