マルチICP-OESによる高感度多元素同時分析Sensitive Multi-elemental Analysis by Multichannel Type ICP-OES

ICP-OES(誘導結合プラズマ発光分光分析)は、材料中の元素分析に欠かせない装置です。マルチ型ICP-OESは、CCD検出器を使用し、高感度に多元素同時測定が可能な装置で、測定波長200nm以下のVUV(真空紫外)領域に発光波長をもつ元素(Al,P,S,Cl,Br,Iなど)を高感度に測定できます。

ICP-OESの原理と特徴

パッシェンルンゲの
CCD分光システム1)
パッシェンルンゲのCCD分光システム1)
ICP-OESの原理と特徴

※広い波長範囲において高分解能
・分解能8.5pm(波長範囲130~340nm)
・分解能15pm(波長範囲340nm~)

1) 画像ご提供元:SPECTRO Analytical Instruments GmbH. All rights reserved

  1. 多元素同時(マルチタイプ)迅速分析・逐次分析が可能
  2. 化学干渉・イオン化干渉が少なく高マトリックス試料の分析が可能
    特にイオンクロマトグラフィーで干渉を受けるような試薬や海水中のハロゲン元素の測定が可能
  3. 高感度 ⇒ 検出下限は大半の元素に対して10ppb(μg/L)以下
  4. 測定可能元素が多い ⇒ 原子吸光分析で困難なZr,Ta,P,B、希土類など

定量下限値および同時に測定可能な元素

定量下限値および同時に測定可能な元素

マルチICP-OESの測定事例

(1) リン酸中の微量Cl分析

マルチICP-OESでは真空紫外領域(130nm~)の測定が可能なことから、イオンクロマトグラフィーでは困難な高リン酸マトリックス中の微量Cl分析が可能です。

リン酸(85%) マルチICP-OES分析結果 イオンクロマトグラフィー分析結果
Cl定量下限値 2ppm(μg/g) Cl定量下限値 50ppm(μg/g)

(2) 人工海水中の微量Br分析

高濃度のNaCl中の微量Brの定量分析が可能です。

人工海水 マルチICP-OES分析結果 イオンクロマトグラフィー分析結果
Br定量下限値 2ppm(μg/g) Br定量下限値 10ppm(μg/g)

(3) ファインセラミックス用SiC (JCRM R026) 中の不純物分析

微量不純物成分68成分を一斉に短時間(測定時間約3分)で定量可能です。

ファインセラミックス用SiC (JCRM R026) 中の不純物分析

認証値成分(Al,Fe,Ca,Ti,V)は認証値とよく一致し、参考値の成分は参考値より低い定量下限で定量できました。

[ 更新日:2024/02/27 ]

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