ウェーハ表面の有機物汚染分析Organic Contamination Analysis of Wafer Surface

半導体・電子デバイスの高集積化に伴い、その製造工程では、より高い清浄度が求められています。シリコンウェーハ分析-ガスクロマトグラフィー質量分析(SWA-GC/MS)では、環境中に存在する有機成分を平坦性の高い材料へ吸着させて評価することが可能です。試料の表面を分析する手法としては、TOF-SIMSやXPSなどがありますが、これらの手法に比べ、本手法では 有機成分を分離することで同定能力が高く、また定量することも可能です。

原理

ウェーハをHeガス中で加熱して、脱離させた有機物を吸着剤に捕集します。次に、捕集した有機物を脱離させ、冷却濃縮し、GC/MSで分析します。

SWA-GC/MSの装置概略図
装置概略図

特徴

  • ウェーハサイズ:2~12インチ、1mm(厚さ)まで
  • 試料加熱雰囲気:He
  • 温度:室温~700℃(保持温度500℃まで)
  • 質量範囲:m/z 27~1050
  • 感度(下限):0.1ng(ヘキサデカン換算)
  • 分析面(表面・裏面)の指定が可能
  • ウェーハ全面分析が可能、かつ、ウェーハの加熱からGC/MS分析までがオンラインであり、外部からのコンタミネーションを防ぐことが可能なため、高感度分析が可能

事例

一般室に数時間放置したSiウェーハをSWA-GC/MSで分析しました。

Siウェーハ上の有機物分析結果(トータルイオンクロマトグラム)
Siウェーハ上の有機物分析結果(トータルイオンクロマトグラム)

一般室の大気中には壁材や周辺部材から発生する添加剤成分(フタル酸エステル:DBP、DEHP、アジピン酸エステル:DOA、ハロゲン化リン酸エステル:TCEP)が存在することが分かりました。

[ 更新日:2024/02/27 ]

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