トリプル四重極型ICP質量分析(ICP-MS/MS)Triple Quadrupole Inductively Coupled Plasma - Mass Spectrometry

トリプル四重極型ICP質量分析装置(ICP-MS/MS)は、シングル四重極型ICP質量分析装置(ICP-QMS)よりもスペクトル干渉除去能力が向上され、試料溶液中に含まれる金属成分を高感度に測定できます。

ICP: Inductively Coupled Plasma (誘導結合プラズマ)

ICP-MS/MSの原理

ICP-MS/MSの原理
ICP-MS/MSの原理

ICP-MS/MSの特徴

四重極[Q1]が追加されたことにより、ICP-QMSでは除去しきれなかった干渉やマスシフト法の制限が大きく改善され、マトリックスによる質量干渉を低減し、大幅に感度を上げることができます。

マスシフト法とは

目的元素をコリジョン・リアクションセルにてNH3,O2,H2などと反応させて、プロダクトイオンを形成させ、別の質量電荷比(m/z)で検出します。

マスシフト法のイメージ図
マスシフト法のイメージ図

マスシフト法による分析事例 

ICP-QMSでは、測定が困難だったリン(P)分析やマトリックスの高い試料の分析をマスシフト法を用いることによって高感度に測定できます。

<リン(P)分析事例>

ICP-QMS  : 14N16O1Hや30Si1Hの生成により、31Pに干渉
ICP-MS/MS : 31P16Oにマスシフトさせ、高感度分析が可能

純水中のりん分析定量下限

<硫酸1%溶液中のチタン(Ti)分析事例>

ICP-QMS  : 32S16Oの生成により、48Tiに干渉
ICP-MS/MS : 48Ti16Oにマスシフトさせ、高感度分析が可能

硫酸1%溶液中のチタン分析定量下限

[ 更新日:2024/02/27 ]

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