STEM-EELSを用いた故障解析Failure Analysis using STEM-EELS

EELSはEDSと異なり、元素情報だけではなく、元素の結合状態も判断することができます。LSIのコンタクト不良で観察された銅配線間の高抵抗箇所(コンタクト近傍)について、STEM-EELSにより結合状態を評価した事例をご紹介します。

STEM: Scanning Transmission Electron Microscope 走査透過電子顕微鏡
EELS: Electron Energy Loss Spectroscopy 電子エネルギー損失分光

プラズモンロスを用いた状態分析

参照試料の金属タンタルと酸化タンタルについて、浅いコアロスを含むLowlossスペクトルを示します。この範囲では、価電子近傍の励起を反映したプラズモンピークが現れます。金属タンタルと比較して酸化タンタルでは、ピークが10~30eV近傍に広がり、潰れたような特徴的な形状をもちます。さらに40~50eVのタンタル由来の浅い内殻励起もピーク位置・形状が異なります。

参照試料のEELSスペクトル
参照試料のEELSスペクトル

事例 STEM-EELSによるコンタクト不良箇所の分析

HAADF-STEM像
HAADF-STEM像
EELSスペクトル
左図上図の赤線に沿って
取得したEELSスペクトル

HAADF-STEM像では、タンタルとCuとの間にそれらとは異なるコントラストの層が見られます。
この層(8~10番目のEELSスペクトル:HAADF-STEM像中の赤線に沿ってAからBの方向に20点取得)では、酸化タンタルの参照試料のスペクトルの特徴と合致しており、問題の層は酸化タンタルを含むと考えられます。
参照試料スペクトルと測定スペクトルを比較することで、複雑な処理なしに結合状態の違いを定性的に判別できます。

HAADF: High-angle Annular Dark Field 高角度散乱暗視野

[ 更新日:2022/03/30 ]

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