燃料電池における触媒毒の評価Analysis of Catalysis Poison for PEFC
固体高分子形燃料電池(PEFC)に使用される水素や、その他材料中の不純物、特に硫黄化合物による被毒は、低濃度でも電極の触媒作用を阻害し、電池性能を著しく低下させることが知られています。そのため、電極への硫黄化合物の吸着量を把握することは、電池性能をコントロールするうえで重要です。
硫黄化合物で被毒させた電極材料について、硫黄量を分析した事例をご紹介します。
固体高分子形燃料電池(PEFC)に使用される水素や、その他材料中の不純物、特に硫黄化合物による被毒は、低濃度でも電極の触媒作用を阻害し、電池性能を著しく低下させることが知られています。そのため、電極への硫黄化合物の吸着量を把握することは、電池性能をコントロールするうえで重要です。
硫黄化合物で被毒させた電極材料について、硫黄量を分析した事例をご紹介します。
試料を高周波加熱炉で加熱し、赤外線吸収法により測定します。
短時間(数分)で、ppm~%オーダのC,Sを定量できます。
炭素 → CO,CO2 → 赤外線検出器
硫黄 → SO2 → 赤外線検出器
試料をボートに入れ、約1,000℃に加熱した管状電気炉に導入し、水蒸気とともにキャリアガスを送ります。
加水分解により発生した硫黄化合物を吸収液に吸収させ、イオンクロマトグラフ(IC)で測定します。
試料をヘリウム雰囲気下で加熱し、発生したガスを質量分析計に導入して測定します。
硫黄化合物で被毒させた電極(カーボン40%、Pt60%)の硫黄量を炭素・硫黄分析計で分析しました(下表)。
また、発生ガスプロファイルから、吸着状態が異なるSO2が存在していることが分かりました。
硫黄の定量結果
試料 | 硫黄量 mass (%) |
|
---|---|---|
電極 (カーボン60%、 Pt40%) |
イニシャル | 0.2 |
暴露後 | 3.9 |
[ 更新日:2025/04/22 ]
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