蛍光X線による微小領域のめっき膜厚測定Micro Area Thickness Test for Metallic Coatings by X-ray Fluorescence Analysis
電子分野のめっき製品は、機械的・電気的特性に応じて多様な金属膜で形成されています。微小領域での多層めっきの膜厚測定は、FP法(Fundamental Parameter Methods)によるエネルギー分散型微小部蛍光X線測定(ED-µXRF)が有効です。
蛍光X線分析法は、発生した蛍光X線の波長・強度から定性・定量分析を行います。検出された蛍光X線強度から、検量線法・FP(ファンダメンタルパラメータ:物理定数)法により含有量(付着量)を求められます。
多層薄膜では、検量線法(高精度な定量)では標準試料を用いる必要があるため適用が難しく、理論強度計算を利用したFP法により簡易に付着量および膜厚を算出します。
各種カードICチップ
基板配線パターン
ICリード部
膜厚測定用認証標準物質を用いた測定では、認証値に近い値が得られました。
層構造 | 認証値 (µm) | 測定値 (µm) | |
---|---|---|---|
1層目 | Au | 1.176 | 1.144 |
2層目 | Ni | 10.60 | 10.46 |
層構造 | 認証値 (µm) | 測定値 (µm) | |
---|---|---|---|
単層 | Au | 0.048 | 0.050 |
測定条件 | 密度 | ||
---|---|---|---|
測定時間 | 100s | Au | 19.32g/cm3 |
照射径 | 10μm | Ni | 8.9 g/cm3 |
第1層目 | 付着量 (mg/cm2) |
膜厚 (µm) |
---|---|---|
Au | 0.805 | 0.42 |
0.757 | 0.39 | |
0.778 | 0.40 |
平均膜厚0.40µm(σ=0.01)
第2層目 | 付着量 (mg/cm2) |
膜厚 (µm) |
---|---|---|
Ni | 3.537 | 3.97 |
3.312 | 3.72 | |
3.360 | 3.77 |
平均膜厚3.77µm(σ=0.13)
【参考】断面観察による膜厚測定
断面観察結果ともほぼ一致しております。
[ 更新日:2025/04/22 ]
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