XPS分析の錠剤への応用XPS Analysis for Tablet

X線光電子分光(XPS)は、X線を試料に照射した際に放出される電子を観測し、試料内に存在した電子の情報を取り出す分析手法で、極表面の化学組成・結合状態・価数などの情報を得ることができます。

原理

固体表面にX線を照射すると、試料中の原子の各軌道から電子(光電子)が放出されます。XPSは、この光電子の運動エネルギーと光電子強度を測定し、元々試料中にいた電子の状態を調べる分析手法です。
放出された光電子の運動エネルギーは各軌道の束縛エネルギーに対応し、元素・化学状態に特有です。そのため、光電子のエネルギーおよび強度を測定することにより、原子の同定・定量が可能となります。

光電子放出のイメージ
光電子放出のイメージ

特徴

  • 数nmの最表面の組成分析(Li~)が可能
  • 感度は、0.1atomic%程度
  • 電子状態分析(化学結合・価数・ギャップなど)が可能
  • 絶縁物・有機物の測定が可能(非破壊分析)
  • 測定領域は、数十~数百µmφ

XPS分析の錠剤への応用事例

成分の混ざり具合が異なる錠剤をXPS分析し、比較しました。

全定性分析結果
全定性分析結果
XPSスペクトル
XPSスペクトル

デモ錠剤Aとデモ錠剤Bの間において、Si2pおよびC1s XPSスペクトルに違いが観測されました。これらスペクトル形状の違いは、錠剤の構成成分の構造や混合比の違いを反映しているものと推定されます。

[ 更新日:2024/02/27 ]

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