ナノマテリアル材料の化学分析Chemical Analysis for Nanomaterials

ナノマテリアル材料を用いた製品の開発・プロセス改善には、その化学的な性質の把握が重要です。化学分析で、純度、不純物の組成・定量、含水率や官能基の種類など、さまざまな情報を得ることができます。

事例

(1) カーボンナノチューブ(CNT)の定量分析

加熱分離-炭素分析測定により、ほかの有機物中の炭素成分と分離しCNTの定量が可能です。

カーボンナノチューブ(CNT)の定量分析の流れ
加熱分離-炭素分析法によるCNTの測定
加熱分離-炭素分析法によるCNTの測定
CNTの検量線
CNTの検量線

(2) フラーレン類の不純物分析と定量

有機不純物は、LC/MS・GC/MSなどで分析します。LC/MSでは組成演算(精密質量と安定同位体比から絞り込み)により、不純物の組成式確認・定量が可能です。無機不純物は、ICP-OES・ICP-MS・ICなどで分析します。

フラーレン誘導体のトータルイオンクロマトグラム(LC/MS)
フラーレン誘導体のトータルイオンクロマトグラム(LC/MS)

不純物ピークの組成演算結果

不純物ピークの組成演算結果
矢印
不純物としてC70PCBMを構造まで同定
不純物としてC70PCBMを
構造まで同定
不純物の検量線
不純物の検量線

(3) 酸化グラフェンの水分量および不純物

酸化グラフェン1)を加熱したときの発生ガス温度プロファイルより、官能基や不純物などの多くの情報を得ることができます。TPD/MSでは、各温度域で発生した水分およびCO2を定量できます。

1) 酸化グラフェン分散液を乾燥したもの

酸化グラフェンの発生ガス温度プロファイル
酸化グラフェンの発生ガス温度プロファイル
酸化グラフェン分散液
酸化グラフェン分散液(1wt%)

※試料ご提供元:
 岡山大学
 異分野融合先端研究コア
 准教授 仁科 様

水分量の検量線
水分量の検量線

検量線より、酸化グラフェン粉から発生した総水分量は13wt%

[ 更新日:2024/07/11 ]

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