昇温脱離ガス分析(TDS)による水素アニール評価Evaluation of Hydrogen Annealing Process by TDS
半導体製造等において広く用いられる水素アニール評価の一環として、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)にて測定した事例をご紹介します。
真空中で昇温しながら質量分析を行うことで、Ta板からの脱離ガス成分や水素の脱離温度などを確認することができました。
水素アニール有/無のTa板についてTDSにて各々分析しました。昇温しながら各試料からの総脱離ガス量を圧力計でモニターします。
図1の様に、水素アニール無しに対して、水素アニール有りの方が、総脱離ガス量は多く、約800℃付近で最大になることが分かりました。
脱離ガスを質量分析することで、ガス種の同定や目的成分ごとの脱離挙動を知ることができます。
図2は水素(m/z=2)の昇温脱離ガスプロファイルです。水素アニール無しと比べて、水素アニール有りの方が水素量が増加していることが分かりました。
また、約800℃付近で脱離ガス量が最大となり、図1の圧力プロファイルと同様であることから、水素アニール有りからの主な脱離ガスは水素で、Ta板中へ吸収された水素がこの温度で脱離していると推測されます。
図3,4は各々H2O(m/z=18)、CxHy(m/z=57)の昇温脱離ガスプロファイルです。水素アニール有/無で、H2O、CxHyの脱離挙動が異なることが分かりました。
なお、質量指定分析により水素などの定量も可能です。
[ 更新日:2024/07/10 ]
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