材料の熱物性評価Evaluation of Thermal Properties

近年、エレクトロニクス分野においても様々な機能性材料が使用されています。金属・樹脂・セラミックスなど、各種材料の熱的特性を把握することは、材料設計や適切なプロセス条件の設定、また、不具合の原因調査などにおいても重要となります。
当社が行なっている熱物性評価の一例をご紹介します。

事例 熱分解挙動(TG-DTA)

TG-DTA曲線から、熱分解温度熱分解量など熱分解挙動についての情報が得られます。
熱分解温度は熱安定性の評価、熱分解後の残渣量はフィラーなど、無機成分の含有量の調査に有効です。

PETのTG-DTA曲線
PETのTG-DTA曲線

TG:昇温に伴う試料の重量変化
DTA:昇温に伴う試料と標準試料との温度差

※PET:ポリエチレンテレフタレート

事例 活性化エネルギー(TG-DTA)

PETの分解反応についての活性化エネルギーを求めました。
昇温速度3条件でデータを取得し、任意の分解反応について温度の逆数と昇温速度の対数をプロットしました。

アレニウスプロット
アレニウスプロット

10%の重量減少に対する活性化エネルギーと定温劣化時間

【活性化エネルギー】
84.6 kJ/mol
【定温劣化時間】
30℃で保管:1.2E+05日(約337年)
80℃で保管:1.1E+03日(約2.7年)

事例 ガラス転移・結晶化・融解・熱履歴(DSC)

DSCの1st runで熱履歴、2nd runでガラス転移温度や、結晶化温度が分かります。そのほかに融解温度も分かります。

PETのDSC曲線
PETのDSC曲線

DSC:昇温に伴う試料と標準試料との熱流差

1st run :1回目の測定
2nd run:1st run測定後、試料を急冷した2回目の測定

事例 ガラス転移・線膨張係数(TMA)

TMA測定により、ガラス転移温度線膨張係数が分かります。

PETのTMA曲線
PETのTMA曲線

TMA:昇温に伴う試料の変形量(長さ)
DTMA:TMAの微分曲線

TG-DTA分析、DSC分析、TMA分析により、材料の耐熱性ガラス転移温度
結晶化温度融解温度熱履歴線膨張係数などが分かります。

[ 更新日:2024/02/26 ]

分析に関するお問い合わせ

お問い合わせ

よくあるご質問

依頼に関するお問い合わせ

入力フォームはこちらから

電話番号・メールアドレス

トップに戻る