材料・部材からの発生ガス分析Evolved Gas Analysis
材料・部材から発生するガスの特性を把握することは、不具合の原因を推定する重要な手段です。発生ガス分析には目的や試料形状に応じた様々な手法があります。当社では、ご希望に沿った分析手法をご提案します。
材料・部材から発生するガスの特性を把握することは、不具合の原因を推定する重要な手段です。発生ガス分析には目的や試料形状に応じた様々な手法があります。当社では、ご希望に沿った分析手法をご提案します。
発生ガス分析は、下記目的により分析手法が分けられます。
ガス捕集方法(一例)
手法 | 発生ガス成分の特定 | 発生ガスプロファイル | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
GC/MS | Py/TD- GC/MS |
固体吸着 -加熱脱着 GC/MS |
SWA- GC/MS |
TPD/MS | TDS | TG- DTA/MS |
|
試料 形態 ・ サイズ※ |
固体・液体 (要相談) |
固体・液体 3mmφ ×7mm の容器内 |
固体 ・200mmφ ×50mm ・マスク(片面可) |
ウェーハ ・2~12インチ 1mm(厚さ) まで ・片面可 |
固体・液体 加熱炉管内径 15mmID× 100mm(長さ) まで |
固体 10mm ×10mm 4mm(厚さ) まで |
固体・液体 5.2mmφ ×5.1mm の容器内 |
試料 加熱 雰囲気 |
He | He | He | He | He | 高真空 (10-7Pa) |
He/N2/Air |
温度 | ~300℃ | ~800℃ 熱分解/ 昇温脱離 |
~400℃ 昇温脱離 |
~700℃ 昇温脱離 |
~1,000℃ | ~1,100℃ (ステージ温度) |
~1,300℃ |
質量 範囲 (m/z) |
2~1050 | 2~1050 | 2~1050 | 27~1050 | 2~800 | 1~199 | 1~410 |
特徴 | 試料を加熱した際のガス成分を分析 | 高分子材料(ポリマー・添加剤)のキャラクタリゼーションに有効 | 固体吸着剤に揮発性物質をいったん捕集して濃縮 | 固体吸着剤に揮発性物質をいったん捕集して濃縮 | 真空下で脱離しやすい表面吸着成分などに有効 | ウェーハ・金属・ガラス中の不純物レベルの評価が可能 | 重量変化、示差熱データと同期して質量情報を取得 |
感度 (下限) |
10~20ng(H2O換算) 0.1ng(ヘキサデカン換算) |
0.1ng/測定 (ヘキサデカン換算) |
0.1ng/測定 (ヘキサデカン換算) |
50~200ng (H2O換算) |
1~2 ng/cm2 (H2O換算) |
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※実際の試料内容により、ご相談させていただくことがあります
半導体パッケージの基板にボイドが発生していました。
ボイドの発生原因を特定するために、基板から発生するガス成分を特定しました。
パッケージ基板を100℃から250℃まで加熱したときに発生するガス成分を特定しました。
パッケージ基板から発生する主なガス種は、トルエン、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールであることが分かりました。
パッケージ基板を室温から250℃まで加熱したときの発生ガスプロファイルを測定しました。
発生ガスプロファイルより、トルエンは50~120℃で発生することが分かりました。
また、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールは120℃以降で発生し、180℃付近で発生量がピークになることが分かりました。
低温側で発生したトルエンと比較して、高温側で発生した2-(2-エトキシエトキシ)エタノールは残留しやすいため、ボイド発生の要因と推測されます。
また、今回検出されたトルエン、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールは基板中に溶剤として含有している成分と考えられます。
[ 更新日:2025/04/22 ]
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