崩壊遅延するOD錠の内部状態観察Observation of Internal States of OD Tablets with Delayed Disintegration

OD錠1)は口腔内で速やかに崩壊しなければなりません。設計どおりに崩壊しない場合には、OD錠内部の状態を把握することも望まれます。
X線CT(X-ray Computed Tomography)は内部構造を非破壊で観察できるツールであり、苛酷試験前後のOD錠の内部構造の変化を捉えることで、顧客工程改善の一助となった事例をご紹介します。

1) OD錠(Orally Disintegrating Tablets:口腔内崩壊錠)

原理

X線CTは非破壊で試料内部のX線吸収率の空間的な分布を可視化する手法です。
試料内部が変化すると、試料内部のX線吸収率分布に変化が起こる場合があります。それを定量化することで、試料内部でどのような変化が起きたかを推測することが可能です。一定の大きさの領域内でのX線吸収率のヒストグラムの形状を表す値「歪度」は、試料内部の状態を表す有用な量の一つです。

データの取得と解析の流れ
データの取得と解析の流れ

結果

X線吸収率分布の歪度の3次元分布
X線吸収率分布の歪度の3次元分布
OD錠と仮想断面の位置関係
OD錠と仮想断面の位置関係

OD錠内部の経時変化の影響で崩壊時間が長くなっていることが判明。原因がビジュアル的に明らかとなり、顧客での改善に向けた検討方針策定に寄与しました。

関連情報

YouTubeサイト : 『錠剤の吸水・崩壊の過程を観察してみよう!』

[ 更新日:2024/02/27 ]

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