医薬品分析サービス 13 錠剤構成成分の分布 Analysis of Components Distribution in Tablet 錠剤を構成する薬効成分・賦形剤・滑沢剤・その他添加剤などの分布・分散状態を把握する ことは、錠剤の設計および品質管理のうえで重要です。 構成成分の分布をTOF-SIMSで、成分の 同定をラマン散乱分光で行なった事例をご紹介します。 X線CT観察 3次元X線顕微鏡 (X線CT) 像 100μm X線CT像では、薬剤の粒子 形状と空気空間は確認でき ますが、錠剤構成成分の同定 はできません。 TOF-SIMSによる構成成分の分布 TOF-SIMS分析 100μm 錠剤構成成分分布の重ね合わせ像 ●アセトアミノフェン ●マンニトール ●ステアリン酸マグネシウム アセトアミノフェン 由来(C3H8N+) マンニトール (C6H15O6 +) ステアリン酸 マグネシウム由来 (Mg) 賦形剤副成分A 賦形剤副成分B 賦形剤副成分C アセトアミノフェン(薬効成分)、マンニトール(賦形剤)、 ステアリン酸マグネシウム(滑沢剤)の粒径と分布を確認できました。 また、それ以外に3種の異なる成分の分布を確認できました。 ラマン散乱分光による構成成分の同定 Intensity (counts) Raman shift (cm-1) 400 600 800 1000 1200 1400 1600 アセトアミノフェンの ラマンスペクトル 錠剤の薬効成分部分の ラマンスペクトル アセトアミノフェンの分布 (TOF-SIMSと同一視野ではありません) X (μm) -200 0 200 錠剤の薬効成分部分を、同定能力の高いラマン散乱分光で確認した ところ、アセトアミノフェンのスペクトルと一致しました。 本手法は成分同定や結晶多形の分布を確認するのに適しています。 ※試料ご提供元:大阪ライフサイエンスラボ 様、株式会社畑鐵工所 様 17-084(2)
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