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医薬品分析サービス 10 崩壊遅延するOD錠の内部状態観察 Observation of Internal States of OD Tablets with Delayed Disintegration 原理 結果 OD錠1)は口腔内で速やかに崩壊しなければなりません。 設計どおりに崩壊しない場合には、 OD錠内部の状態を把握することも望まれます。 3次元X線顕微鏡(X線CT)は内部構造を非破壊で観察できるツールであり、苛酷試験前後の OD錠の内部構造の変化を捉えることで、顧客工程改善の一助となった事例をご紹介します。 1) OD錠(Orally Disintegrating Tablets:口腔内崩壊錠) X線CTは非破壊で試料内部のX線吸収率の空間的な分布を可視化する手法です。 試料内部が変化すると、 試料内部のX線吸収率分布に変化が起こる場合があります。 それを定量化することで、試料内部でどのような 変化が起きたかを推測することが可能です。 一定の大きさの領域内でのX線吸収率のヒストグラムの形状を表す 値「歪度」は、試料内部の状態を表す有用な量の一つです。 苛酷試験 崩壊遅延するOD錠 安定なOD錠 試験前 試験後 歪度 歪度 歪度 歪度 崩壊遅延 0.5 1 1.5 0.5 1 1.5 0.5 1 1.5 0.5 1 1.5 試料 3次元X線吸収率データ 複数の領域内の 吸収率分布の歪度の3次元分布 X線CT観察 データ解析 データの取得と解析の流れ X線吸収率分布の歪度の3次元分布 2mm 2mm 2mm 2mm 2mm 2mm 2mm 2mm OD錠と仮想断面の位置関係 OD錠内部の経時変化の影響で崩壊時間が長くなっていることが 判明。 原因がビジュアル的に明らかとなり、顧客での改善に向けた 検討方針策定に寄与しました。 23-013

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