X線光電子分光(HAXPES・XPS) 8 LSMO膜の膜厚依存性 全反射条件でのHAXPESの実際の検出深さを調べるため、膜厚の異なるLSMO膜を用意し、 下地STO基板からのTi 1s, 2p ピークの強度の膜厚依存性を調べました。 膜厚の異なるLSMO/STO基板試料 2ML LSMO STO 3ML LSMO STO 5ML LSMO STO 7ML LSMO STO 10ML LSMO STO 20ML LSMO STO Ti 1s, 2pスペクトル強度のLSMO膜厚依存性 Ek: 光電子の運動エネルギー Ti 2p Ek = 7.49 keV Intensity (arb. units) Binding Energy (eV) 470 460 2 3 MM L L 5 7 MM L L 1 2 0 0 MM L L Ti 2p ピーク強度 Ti 2p Peak Intensity (c/s) 0 [X10+5] LSMOの膜厚 ( 31. 904MnLm ) ( 72. 808MnLm ) Ti 1s Ek = 2.97 keV Intensity (arb. units) Binding Energy (eV) 4980 4970 4960 2 3 MM L L 5 7 MM L L 1 2 0 0 MM L L Ti 1s ピーク強度 Ti 1s Peak Intensity (c/s) 0 1 2 [X10+6] LSMOの膜厚 ( 31. 904MnLm ) ( 72. 808MnLm ) L S MOの膜厚が厚くなると 下地STO基板からのTiのシグナルが 指数関数的に減少します。 全反射HAXPESでの光電子の 検出限界深さは約8nmであることが 分かりました。 光電子の運動エネルギーが異なる Ti 1sとTi 2pでほぼ同じ検出限界深さ ( 8 n m ) と な っ た こ と か ら 、 全反射HAXPESでの検出限界深さは 光電子の運動エネルギーには 依存しないことが分かります。 通常条件のHAXPESでは元素ごとに 検出深さが変わりますが、 全反射HAXPESでは、基本的に 元素ごとに検出深さが大きく 変わらない点も大きな特徴です。 ※試料ご提供元:東北大学多元物質科学研究所 (兼) 高エネルギー加速器機構物質構造科学研究所組頭先生 通常、放射光を用いた測定では、表面敏感なXPS測定とバルク敏感なHAXPES測定は、 別の測定ビームラインで実施する必要があります。 そのため、エネルギー分解能などの実験条件が 変わってしまうという欠点がありました。 また、異なる装置で測定するためビームタイムの 再申請など時間を要します。 全反射HAXPESでは、上記の問題を解決しています。 加えて、 元素ごとに検出深さが大きく変わらない点も全反射HAXPESのメリットです。 ※HAXPES測定は、外部放射光施設を利用するため、利用手続きから測定までにある程度の時間をいただきます。 22-083(2)
RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=