X線光電子分光(HAXPES・XPS)

X線光電子分光(HAXPES・XPS) 9 変色した銅部材表面のXPS分析 XPS Analysis for Discolored Copper metal Surface 銅は電気伝導性・熱伝導率・耐食性や加工性に優れているため、身の回りの製品から電気や 電子部品などの工業製品まで幅広く活用されています。 その一方で、酸化によって変色が発生 しやすいのも銅の特徴です。 銅表面の変色状態評価 銅の変色の原因は、腐食物の生成による場合のほか、表面酸化膜の厚さの違い(光の干渉現象による発色)が 原因となる場合もあるので、XPSによる最表面の定性分析に加えて深さ方向分析も実施すると有効です。 事例では、銅部材の表面定性分析と深さ方向分析を実施し、変色部分と正常部分の比較を行いました。 表面定性分析 銅部材の光学顕微鏡像 正常部分 変色部分 XPS定性分析(Cu 2p3/2, Cu LMMオージェ) 正常部分 変色部分 Cu 2p3/2 Intensity (arb. units) Binding Energy(eV) 950 940 930 CTサテライト※ ※CTサテライト: CuとO 起 因 す るがサ結テ合ラしイてトい構る造こ と に Cu(OH)2など CuO Cu2O, Cu-metal Cu LMM オージェ Intensity (arb. units) Binding Energy(eV) 580 570 560 Cu2O,Cu(OH)2など CuO Cu-metal ※CTサテライト: 電荷移動サテライトと呼ばれ、CuとOが結合していることに起因するサテライト構造です。 光電子が放出される過程で、O 2p軌道からCu3d軌道へ電子の移動が起こり、XPSでは この過程をサテライト構造として検出することができます。 結果1 Cu 2p3/2,Cu LMMオージェ測定から部材最表面にはCuO, Cu(OH)2,Cu2Oなどが存在すると考えられます。 正常部分のCu LMMオージェスペクトルにおいてCu metal成分が観測されていることから、表面酸化膜の膜厚は 数nm程度と推測されます。 22-064

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