X線光電子分光(HAXPES・XPS) 6 光電子分光による表面酸化膜の膜厚評価 Thickness Estimation of Surface Oxide Layer by Photoelectron Spectroscopy 酸化膜の形成プロセスにおいて、酸化膜厚の制御は最も重要な項目の1つです。 そこで、 光電子分光を用いて表面酸化膜の膜厚を非破壊で見積りました。 Si基板上のSiO2薄膜の解析事例 表面が薄い酸化膜で覆われているような試料の場合、多くの元素の光電子ピークは酸化物成分と基板成分に 対応して2つのピーク構造を示します。 各成分のスペクトル強度を測定することによって酸化膜の膜厚を 見積ることができます。 非破壊にて膜厚を求める分析手法はいくつかありますが、他の手法に比べ、特定箇所の膜厚の見積りが 可能であるところが、この手法の特徴です。 Si 1sのピークはSi基板由来のピークとSiO2表面酸化膜由来の ピークの2つから構成されています。 それぞれの成分の積分強度 Im, Ioを算出し、式(1)より酸化膜厚を見積りました。 SiO2/Si基板 SiO2 Si基板 X線 Si 1s スペクトル Intensity (arb. units) Binding Energy (eV) 1846 1844 1842 1840 1838 SiO2 Si基板 バックグランド SiO2 Io Si基板 Im 膜厚の異なる試料のSi 1s スペクトル Intensity (arb. units) Binding Energy (eV) 1846 1844 1842 1840 1838 試料A 試料B 試料C 膜厚の算出方法について Si酸化膜厚 d の計算式 (1) λo λm θ No Nm Io Im :酸化膜中における光電子の非弾性平均自由行程 :Si基板中における光電子の非弾性平均自由行程 :光電子検出角度 :酸化膜におけるSi原子の数密度 :Si基板中におけるSi原子の数密度 :酸化膜から放出された光電子強度 :Si基板から放出された光電子強度 λ:非弾性平均自由行程(IMFP)については、IMFP の一般式である相対論を考慮した TPP-2M式1)から計算しました。 1) S. Tanuma et al., Surface and Interface Analysis 21, 165 (1994). 光電子分光から見積ったSiO2膜厚 試料 膜厚 試料A(SiO2) 26.3 nm 試料B(SiO2) 9.4 nm 試料C(SiO2 : 自然酸化膜) 0.8nm Si基板上のSiO2表面酸化膜について、光電子分光から酸化膜厚を算出しました。 ※膜厚によって使用装置が変わります。まずはご相談ください。 23-004
RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=