SAXSによるDDS製剤高分子ミセルの粒子評価Particle Analyses of DDS Polymeric Micelles using SAXS

DDS(ドラッグデリバリーシステム)1)とは、体内の必要箇所に対して選択的に薬剤を作用させる薬物輸送システムのことで、副作用を抑えることから大きな期待が寄せられています。DDSでは高分子ミセルを用いることがあり、当社ではSAXS(X線小角散乱法)2)により高分子ミセルの粒子形状・サイズ分布の評価を行います。

1) DDS:Drug Delivery System (ドラッグデリバリーシステム)
2) SAXS:Small Angle X-ray Scattering (X線小角散乱法)

特徴

SAXS:X線の散乱を用いて物質の構造を解析する分析手法
 • 対象試料:固体でも液体でも可能
 • 非破壊で分析可能
 • ナノ粒子の形状(球や楕円など)およびサイズ分布の算出が可能

DDS製剤の解析事例

水溶液中の高分子ミセルをSAXS分析しました。
得られた散乱データに対して球状模型でのシミュレーション解析を行い粒子径と粒径分布を評価しました。

水溶液中の高分子ミセルのイメージ
水溶液中の高分子ミセルのイメージ
 モデルパラメータ

 • 形状〔例:球半径(r)〕
 • サイズ分布標準偏差(σ)
 • 球散乱長密度
 • 溶液散乱長密度

 シミュレーション解析結果

 最適解から算出した値
  r = 23 nm , σ = 0.16

※粒子分布は対数正規分布として実施

SAXSプロファイル
SAXSプロファイル

試料ご提供元:千葉大学大学院薬学研究院製剤工学研究室 東先生

DDS製剤高分子ミセルの粒子形状・粒径分布について、非破壊で算出ができました

※SAXS測定は、外部放射光施設を利用するため、利用手続きから測定までにある程度の時間をいただきます。

[ 更新日:2024/02/27 ]

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