昇温脱離ガス分析(TDS)Thermal Desorption Spectrometry

材料や部品から発生するガスを把握することにより、表面付着物、工程改善策の確認や不具合発生原因の推定を行うことができます。昇温脱離ガス分析(TDS)では、真空中で試料を昇温加熱した際に、表面および内部から発生するガス種の同定(定性分析)やガス量の半定量分析ができます。

原理

真空中で試料にランプ光を照射し、光吸収により昇温した試料から発生するガスを質量分析計で検出します。

装置概略図
装置概略図

特徴

  • 試料サイズ:10mm×10mm、4mm(厚さ)まで
  • 試料加熱雰囲気:高真空(10-7Pa)
  • 温度:
    室温~1,100℃(試料ステージ温度)
    室温~約900℃(Si基板校正温度※1)
    ※1 埋め込み熱電対による高精度な温度補正を行なっています。
  • 赤外線加熱により、試料のみを加熱するため、低バックグラウンド化が可能
  • SiCステージにより、赤外線を吸収しない試料でも対応可能

測定試料の制限

試料にMgが含まれていると、測定中にMg→MgO→Mg(OH)2の反応により、水(H2O)が吸収され、チャンバー内壁に蒸着するため、水の感度が低下してしまいます。このため、Mgを含む試料の測定は控えさせていただきます

【目的に応じた測定モード】

  • 定性分析(スキャン測定)
    • 質量数(m/z)が1~199のガス測定が可能
  • 半定量分析(SIM測定)※2
    • 質量数(m/z)を限定し、スキャンを行うため、感度が高く、微量ガスの検出が可能
      ※2 定性分析結果からの質量数選択をお勧めしています。

 

事例 Si酸化膜からの発生ガス

定性分析の結果 (m/z 1~20)
定性分析の結果 (m/z 1~20)
酸化膜からの放出ガス推定モデル
酸化膜からの放出ガス推定モデル

ステージ温度とSi基板温度(埋め込み熱電対による校正温度)

SiCステージによる試料加熱と温度測定方法

SiCステージが赤外線を吸収し加熱されるため、赤外線を吸収しない試料や粉末試料に適用

[ 更新日:2024/02/26 ]

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