X線回折(XRD)・X線反射率測定(XRR) 受託分析サービス
X線回折(XRD)・X線反射率測定(XRR) 目 次 薄膜X線回折(XRD) 高温XRDによる極薄膜の結晶性評価 リートベルト解析によるX線回折データの定量分析 X線反射率測定(XRR) による薄膜評価 1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P4 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P5~P6 略語 XRD XRR :手法・装置名 : X-ray Diffraction (X線回折) : X-ray Reflectivity (X線反射率測定)
X線回折(XRD)・X線反射率測定(XRR) 2 23-101 薄膜X線回折(XRD) X-ray Diffraction (XRD) for Thin-Film 薄膜X線回折は、数nmレベルの薄膜の結晶構造同定に加え、X線反射率測定による多層膜の 膜密度・膜厚・粗さの解析も可能です。 特徴 分析手法 薄膜X線回折では、平行性の良いX線を試料に極浅い角度で入射させることで、X線の侵入深さを極めて浅く することができ、In-Plane XRDによる薄膜の結晶性評価や、XRRによる薄膜の物性測定ができます。 •In-Plane XRD(面内回転法) 数nmレベルの結晶性薄膜の評価 •XRR(X線反射率測定) 膜密度・膜厚・(表面・界面)粗さの評価 一般的な薄膜法(θ固定2θ走査)も対応 X線源 Cu 45kV-200mA 光学系 多層膜ミラー 4結晶モノクロメータ アナライザ結晶 検出器 0次元・1次元検出器 装置外観 In-Plane XRD XRR X線を極低角で入射する場合、屈折率は1よりも わずかに小さい(θ0>θ)ため、屈折の効果が大きく なり全反射が生じます。 全反射条件近傍の測定で、 X線反射率を求めることができます。 薄膜の密度(全反射が終わる角度)、膜厚(振動幅) 表面粗さ(X線反射強度の減衰率変化) In-Plane XRD 入射X線 鏡面反射X線 屈折X線 θ0 θ0 θ θ 薄膜 基板 θ0 通常のXRD (Out of Plane XRD) θ HfO2 10nm/Si基板の In-Plane XRD測定例 Intensity (cps) 2θχ/φ(deg) 28 33 38 43 48 53 58 63 68 140 120 100 80 60 40 20 0 HfO2 10nm/Si基板の XRR測定例 シミュレーション 測定データ 2θ/θ (deg) X線反射強度(相対値) 012345678910 1.E+01 1.E+00 1.E-01 1.E-02 1.E-03 1.E-04 1.E-05 1.E-06 1.E-07 1.E-08 試料表面に対して全反射条件となるX線入射角近傍 で面内方向に2θχ/φ走査することで、数nmの極薄膜 でも高感度で回折線を検出します。 (試料表面に垂直な結晶面からの検出)
X線回折(XRD)・X線反射率測定(XRR) 3 25-117 高温XRDによる極薄膜の結晶性評価 Crystalline Evaluation of the Ultra thin Film by High Temperature XRD 高温+In-Plane XRD 事例 高温でのX線回折(XRD)は、各種材料の温度条件による相変化・化学反応・格子定数の変化を 知るために有効な手段です。 nmオーダの極薄膜の結晶構造の変化をIn-Plane XRD+高温測定で評価した事例をご紹介 します。 In-Plane XRDとは、極低角でX線を入射して面内方向 に検出器を走査させる方法です。 入射X線は表面から深くまで入らず、かつ表面に対して 垂直な回折面のみを検出することができます。 この測定法を用いることで数nmの極薄膜についても 結晶の情報を得ることができます。 高温XRD ドーム状カバーの高温ユニットを用いることで、 In-Plane XRD法などの極低角入射が必要な測定 もできます。 • 温度範囲:室温~900℃ (昇温速度や保持時間は任意に設定可能) • カバー内雰囲気:N2・He・大気 • 試料加熱方法:直接加熱 ※Out of PlaneXRD測定(表面に平行な回折面の測定)により、 バルク材の高温XRD測定も可能です。 X線源 検出器 高温XRD装置外観(In-Plane XRD測定) 高温ユニット外観 ドーム状カバー内に 試料固定 大気条件下において、室温・300℃・450℃ の各温度で、HfOx薄膜(10nm)のIn-Plane XRD測定を行いました。 室温と300℃では、HfO2の回折線を確認 できませんが、450℃では回折線を確認でき ました。 この結果から、本試料のHfOxは結晶化 の温度が300~450℃の間であることが うかがえます。 HfOx薄膜の結晶構造の変化 HfOx薄膜の高温XRD測定結果 ▼:HfO2 (PDF34-0104,Monoclinic) ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ 450℃ 300℃ 室温 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ 2θ/ω(° ) 強度(cps) 2500 2000 1500 1000 500 30 40 50 60 70
X線回折(XRD)・X線反射率測定(XRR) 4 16-097(3) リートベルト解析によるX線回折データの定量分析 Quantitative Analysis of X-ray Diffraction Measurement by Rietveld Refinement 結晶相の質量分率の定量 結晶子サイズとひずみ X線回折データにリートベルト解析を適用することにより、標準試料を必要とせずに、試料に 含まれる結晶相の質量分率、結晶子サイズ、不均一ひずみの定量が可能です。 強誘電体として広く用いられているBaTiO3は、結晶粒径が小さくなると、強誘電体の正方晶から常誘電体の 立方晶に変化しますが、格子定数が近いためピークが重畳してしまいます。 リートベルト解析により、ピークが 重畳する場合においても、結晶相量の正確な定量が可能となります。 32000 28000 24000 20000 16000 12000 8000 4000 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 2θ (deg) Intensity 市販BaTiO3のリートベルト解析結果 正方晶:73.5wt% 立方晶:24.5wt% リートベルト解析により、各回折ピークの積分幅 を正確に決定できます。 得られた積分幅を用いた Halder-Wagnerプロットより、結晶子サイズと ひずみを分離して定量することが可能です。 0.25 0.20 0.15 0.10 0.05 0.00 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 β/(tanθsinθ) 1000 (β/ tanθ)2 傾き: Kλ/ Dから 結晶子サイズを定量 切片:16ε2から ひずみを定量 立方晶相のHalder-Wagnerプロット ひずみε:0.13% 結晶子サイズ D:73nm ( K=4/3を使用) ※ひずみεは、完全結晶の格子定数からの平均ずれ量です。 β:得られる積分幅 θ:回折角 K:シェラー定数 λ:X線の波長 D:結晶子サイズ ε:ひずみ tan 2 = ・ tan sin +16 2 Halder-Wagnerの式 • 製造過程で混入する不純物の定量 • 水素吸蔵合金の水素化前後のひずみ量評価 • 二次電池の充放電過程における正極/負極材料の粒径・ひずみ量評価 用途
X線回折(XRD)・X線反射率測定(XRR) 5 X線反射率測定(XRR) による薄膜評価 Thin-Film Parameters Analysis using X-ray Reflectivity 原理 表面(界面) 粗さ X線反射率測定(XRR)は、臨界全反射角近傍でのX線の減衰や干渉縞のあるX線プロファイルと 計算で得られたプロファイルをフィッティングさせることで、表面(界面)粗さ・膜密度・膜厚の情報 を得ることができます。 X線が極低角で入射する場合、屈折率は1よりもわずかに小さく (θ0>θ)、臨界全反射角以下では屈折の効果が大きくなり全反射が 生じます。 全反射条件近傍の測定で、X線反射率(入射X線強度に対する鏡面 反射X線強度)を測定し、薄膜モデルから計算されたX線プロファイル とフィッティングさせることで、以下の情報を求めることができます。 • 表面(界面)粗さ(X線反射強度の減衰率変化) • 薄膜の密度(臨界全反射角および振幅) • 膜厚(周期) • 回折X線を使用しないため、非結晶も測定可能 • 膜構造・組成情報があらかじめ分かれば、多層膜も シミュレーションにより評価可能 解析可能な薄膜 • 試料表面 • 試料サイズ • 膜厚 • 必要な情報 :鏡面(表面粗さ 5nm以下) :30mm×30mm以上 ※サイズが小さい場合はご相談ください :2nm~500nm :膜構造および膜組成情報 入射角が、臨界全反射角(X線が全反射する角度)を超える と、X線は屈折を伴い試料内に入りこむため、入射角度の増加 に伴い急激に反射X線強度が減少します。 (平滑な表面では 入射角度の-4乗に比例) 表面粗さが大きくなるほど、反射X線強度の減衰が著しく なります。(右図、緑点線で表示) 界面粗さが大きくなると、高角度側の振幅の減衰が著しく なります。 XRR測定装置外観 • X線源 Cu 45kV-200mA • 光学系 多層膜ミラー 4結晶モノクロメータ アナライザ結晶 • 検出器 0次元(ポイント型)検出器 1次元検出器 赤枠・青枠内は次頁でご説明します。 0 2θ/ω(deg) 2 4 6 反射X線強度 1x100 1x104 1x108 8 反射X線強度の 減衰(傾き) 入射X線 鏡面反射X線 屈折X線 θ0 θ0 θ θ 薄膜 基板 XRR原理図 θ0 23-100
X線回折(XRD)・X線反射率測定(XRR) 6 膜密度 膜密度は全反射角および振幅から算出します。 • 物質の(電子)密度により、X線の臨界角(全反射角)が 異なる。 • 密度のコントラストが振幅に反映されます。 密度の差大→屈折率の差大→振幅大 (多層膜の解析に利用) 膜厚により干渉の周期が変動します。 • 膜厚薄い:周期(Δθ) 大 • 膜厚厚い:周期 小 臨界角 (全反射角) 0.0 2θ/ω (deg) 0.2 0.4 0.6 反射X線強度 1x107 1x108 1x109 密度低 密度高 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 1x102 1x104 1x106 1x105 1x103 反射X線強度 2θ/ω (deg) 周期(Δθ) ⇒膜厚d 振幅 ⇒ 密度のコントラスト 膜厚 事例 Si3N4 15nm/Si基板 狙い膜厚15nmのSi3N4膜(Si基板上)の測定プロファイルに対し、シミュレーションにより表面(界面)粗さ・ 膜密度・膜厚を算出した事例をご紹介します。 狙いのSi3N4単層と仮定し解析した結果、 測定データとシミュレーションの振幅が 大きく異なります。(残差大) Si3N4層およびSi基板と密度の異なる層が 存在する可能性がうかがえます。 層 膜種 膜厚 (nm) 膜密度 (g/cm3) 粗さ (nm) 1 Si3N4 15.0 2.44 0.5 基板 Si - (2.33) 0.0 層 膜種 膜厚 (nm) 膜密度 (g/cm3) 粗さ (nm) 2 Si3N4 15.1 2.44 0.5 1 SiO2 1.0 2.16 0.0 基板 Si - (2.33) 0.3 界面層としてSiO2層を仮定し解析した結果、測定データとシミュレーションはよく一致することから界面層の 存在を示唆する結果が得られます。このように、埋もれた界面が存在しても解析が可能です。 Si3N4単層と仮定して解析(Si基板の密度既知) 測定データ シミュレーション 残差 2θ(deg) 0 2 4 6 X線反射強度(相対値) 1×10-8 1×10-6 1×10-4 1×10-2 1×10-0 残差 0 -2 2 4 6 Si3N4(15nm)/Si基板の間にSiO2があると仮定として解析 測定データ シミュレーション 残差 2θ(deg) 0 2 4 6 X線反射強度(相対値) 1×10-8 1×10-6 1×10-4 1×10-2 1×10-0 残差 0 -2 2 4 6 23-100
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