二次イオン質量分析

二次イオン質量分析 (SIMS) 2 20-105 二次イオン質量分析 (SIMS) Secondary Ion Mass Spectrometry 原理 特徴 真空中で固体表面にCs+やO2 +などの一次イオンを照射すると、試料表面から電子・中性粒子・イオンが弾き 出されます(スパッタリング)。 試料から放出された二次イオンの質量を分析することにより、元素の種類と その濃度を明らかにします。 質量分析では、干渉・妨害するものがほとんどないため(イオン種同士の干渉を除く)、 非常に高感度な分析が可能です。 また、イオン照射により試料が次第に削れていくため、連続的にデータを取得 することにより深さ方向分析ができます。 質量分析計には、磁場型・四重極型・飛行時間型などの種類が あり、分析の目的に応じて使い分けます。 比較項目 磁場型SIMS 四重極型SIMS 飛行時間型SIMS 分析元素 全元素(H~U) 有機分子 感度 ◎ ○ △ 質量分解能 M/ΔM ~10,000 ~300 ~11,500 絶縁膜 ○ ◎ ◎ 定量分析 ○ ○ △ 深さ分解能 ○ (5nm~) ◎ (1nm~) ◎ (1nm~) 極表面分析 △ ○ ◎ 分析領域 ~60μmφの範囲 (最小8μmφ) 100μm×100μmの範囲 (最小30μm×30μm) 数十~500μm2 最大試料サイズ 1cm×1cm 1cm×1cm ~200mmウェーハ マスク 各種SIMSの比較 • 磁場型SIMS • 四重極型SIMS • 飛行時間型SIMS 高感度が要求される不純物の評価に用います。 深さ方向分解能が要求される評価や、絶縁膜を含む 多層膜の評価に用います。 極表面にある極微量物質の分子構造レベルの評価、 表面の有機物などの汚染状態や微小異物の評価に 用います。 一次イオン 二次イオン 中性粒子 二次イオン放出模式図 二次イオン質量分析(SIMS)は、ppbレベルの極微量不純物元素を同定・定量できる非常に 高感度な分析手法です。 スパッタリングしながら測定するため、膜中の不純物の深さ方向分布を 得ることができます。

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