二次イオン質量分析 (SIMS) 12 ウェーハベベル評価技術 Quantitative Evaluation of Wafer Bevel Section by D-SIMS ウェーハベベル部の成分評価は一般的にTEMやTOF-SIMSで行われていますが、これらの 手法ではいずれも感度や定量に制限があり、微量の成分評価は困難とされてきました。 今回、 新たに開発した専用治具を用いることで、感度・定量に特化したSIMS(D-SIMS)にて高精度に 成分評価する手法を確立しました。 高い深さ方向分解能を得るには、測定面 の法線方向に検出器が位置する必要があり、 ベベル部においては測定面を検出器方向に 傾ける必要があります。 Bデルタ層のベベル部近傍でのB深さ分布を 調査しました。 成膜境界を中心に取得した Imaging像から、成膜部境界を挟んで選択 した抽出領域〔(1)~(5)〕のDepth profileを 作成し比較した結果、以下が分かりました。 Detector 90° ×Detector 90° Detector 90° Fix Wafer Film Schematic diagram of wafer bevel Boron delta layer×3 Si Boron Imaging area 250μm角 Bevel side↑ ( ( 1 2 ) ) ( ( 3 4 ) ) (5) 1E+18 1E+19 1E+20 1E+21 0 10 20 30 (nm)Boron Depth profiles (5) (4) (3) (2) (1) 2 1 技術概要 分析事例 2 1 3 Layer Schematic diagram of Boron delta layer 1E+21 1E+20 1E+19 1E+18 (nm) atoms/cm3 3 10 20 30 0 Imaging ↓ Depth profile 傾けた不安定な状態の試料の位置ずれ・検出 安定性の低下を防止するために、専用治具で 固定します。 以上により、 測定位置を高精度かつ自由度高く選択する ことができます。 ▶ベベル側に向かって各Si層が薄膜化して いる(Bピーク位置シフトより) ▶成膜部境界付近ではlayer1-3間でBの拡散 が生じている〔(1),(3)〕比較より) ▶成膜端部ではBがフラットに分布する領域 が存在する〔(4)より〕 以上より、ベベル側に向かって各Si層の厚さ が薄くなり、端部でデルタ層との混合層が 形成されていると考えれられます。 ベベル部の各層内の位置や濃度を把握する ことができる本手法は、ベベル部膜剥がれ 原因となる成分評価などの半導体プロセス が抱える問題解決に貢献します。 23-033 D-SIMS: Dynamic SIMS (ダイナミックSIMS)
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