有機材料膜からの発生ガス評価(TPD/MS)Analysis of Gas Desorption from Organic Thin Film

部品・材料からの発生ガス挙動を把握することは、剥がれ、ボイドといった不具合の原因を推定するうえで重要な手段の一つです。TPD/MSはヘリウム雰囲気下で試料を加熱し、発生したガスの成分と量、発生プロファイルが得られます。揮発しやすい有機成分に有効であるため、有機材料膜の発生ガス評価に用いられます。

有機材料膜からの発生ガス評価

有機材料膜の焼成温度を最適化するため、大気圧・ヘリウム雰囲気中で加熱し、発生ガス挙動を調べました。

加熱時のガス発生プロファイル

マススペクトルから発生したガスを定性し、各成分ごとの発生速度・発生量を得ることができます。

質量分析によるガス成分の定性

発生ガスのマススペクトルより、主成分はNMP(1-メチル-2-ピロリドン)と1-フェニルエタノン、および成分Aであることが分かりました。

得られた成分ごとの発生挙動の確認と定量

NMPと1-フェニルエタノンは、加熱直後から100℃付近の低温域で発生、成分Aは150℃付近を中心に広い温度範囲で発生しています。

また、発生速度から、発生量を算出できます。成膜プロセスにおいて焼成条件の最適化を行い、NMP残留量を比較しました(右表)。
条件1(ルーチン)に対して条件2では、NMPが1/5に減少していることが確認できました。

NMP発生量(トルエン換算値)
焼成条件1 20μg/g
焼成条件2 4μg/g

[ 更新日:2024/02/27 ]

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