ICP質量分析(ICP-MS)Inductively Coupled Plasma - Mass Spectrometry

ICP質量分析(ICP-MS)は、試料溶液中に含まれる微量な金属成分を一斉分析できる元素分析装置です。エアロゾル化された試料はアルゴンプラズマにてイオン化した後、質量電荷比に基づき分離し質量数ごとに検出します。
ほとんどすべての元素を同時に測定可能であり、ppm~pptオーダの極めて微量な定量分析ができます。

原理

原理図

特徴

  • ppm~pptオーダの定量分析
  • 全元素測定を数分で測定
  • 高マトリックス試料も高精度分析(コリジョン・リアクションモード)

測定可能な元素と一般的な定量下限

○定量下限値:ブランクを10回繰り返し測定した際の標準偏差から算出

測定可能な元素と一般的な定量下限

事例 材料中の金属不純物分析

目的とする元素が沈殿または揮発しないように試料を溶解する技術や、共存元素による影響を考慮した測定・ 解析技術など、正確な定量分析には、元素の化学的性質を理解していることが必要不可欠です。

対応材料
MoSi,TiN,TaN,CoPt,AlSi,IrMn,SiN,BPSG,TaN,Cu,Ta,Ti,W,MgO,PZT,SBT,HfSiO,SrTiO,SrRuO など

  • チタン材料中(100ppm希釈)の分析結果
    測定元素 試料濃度
    ng/mL
    金属添加量
    ng/mL
    測定値
    ng/mL
    回収率
    %
    Na <0.03      1.0 1.08 108
    Mg  0.017 1.0 1.06 104
    Al  0.16   1.0 1.20 104
    K <0.04      1.0 1.09 109
    Ca <0.005    1.0 1.03 103
    Cr  0.006 1.0 1.08 107
    Fe  0.17   1.0 1.25 108
    Ni <0.007    1.0 1.09 109
    Cu <0.02     1.0 1.04 104
    Zn <0.05     1.0 0.96   96

     

事例 有機溶媒の直接導入によるICP-MS分析

半導体プロセスに関わる様々な有機溶媒の純度は、製品の電気特性や信頼性に影響するため、厳密なコンタミネーションコントロールが求められています。
有機溶媒用トーチを用いて酸素を導入し、有機溶媒由来の炭素を燃焼させて目的成分をイオン化することで、前処理なしで高感度に測定することが可能です。 測定対象元素については、お問い合わせください。

直接導入可能な溶媒
イソプロピルアルコール(IPA)・N-メチルピロリドン(NMP)・テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)・ 酢酸エチル・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PEGMEA)など

測定例 (単位:ng/mL)
測定元素 NMP 酢酸エチル
定量値 定量下限値 定量値 定量下限値
K  0.10 0.08    0.07 0.01 
Ca  0.12 0.03   <2        2      
V <0.002 0.002  0.008 0.001
Fe  0.2  0.2      0.03 0.01 
Cu  0.34 0.01    0.028 0.009
As  0.008 0.005  0.010 0.002
Se <0.08   0.08   <0.03   0.03 
Os  0.043 0.009 <0.01   0.01 
Hg <0.03   0.03    0.02 0.01 

関連情報

YouTubeサイト : 受託分析サービス動画配信(SP-ICP-MSの説明)

[ 更新日:2024/02/27 ]

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