樹脂の硬化度・硬化挙動の評価Determination of Cure Extent and Behavior of Resin

電子部品には、モールド樹脂・ACF樹脂・カバーガラス接着樹脂など、さまざまな熱硬化・光硬化樹脂が使用されています。これらの樹脂の硬化度は、接着特性などを左右する重要な因子であり、赤外分光分析や示差走査熱量測定により評価ができます。

ACF : Anisotropic Conductive Film (異方性導電フィルム)

FT-IRによるエポキシ樹脂の硬化度測定

エポキシ樹脂は分子中にエポキシ基を有する化合物であり、ACF樹脂やシール樹脂などに用いられています。硬化反応はエポキシ基の消費によリ進むため、エポキシ基の減少割合から硬化度を算出できます。

エポキシ樹脂の赤外吸収スペクトル
エポキシ樹脂の赤外吸収スペクトル
FT-IRによる硬化度算出方法
FT-IRによる硬化度算出方法
反応に関与しないピークで規格化したエポキシ基の吸収強度から硬化度を算出します。

DSCによるエポキシ樹脂の硬化度測定

硬化する際の反応熱量と硬化度が相関関係にあることから、硬化度の算出が可能です。

エポキシ樹脂のDSC曲線
エポキシ樹脂のDSC曲線
DSCによる硬化度算出方法
DSCによる硬化度算出方法
硬化反応に伴う熱量から硬化度を算出します。
  FT-IR DSC
サンプル量 100µm2程度の領域があれば良い
(局所的な情報)
数mg
(ACF樹脂であれば、数mm幅×15cm程度)
対象となる樹脂 熱硬化・光硬化硬化に伴うスペクトルの変化が確認される樹脂 熱硬化
硬化度算出方法 硬化反応に伴う官能基の変化 硬化反応に伴う熱量
精度
硬化度算出に
伴う注意点
・ 硬化反応により変化するピークと基準ピークの選定が必要
・ 完全硬化後も官能基が残る場合は硬化率が低く見積られる
熱のみで完全硬化しない場合、硬化率が高く見積られる

[ 更新日:2024/02/27 ]

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