変色やシミの原因への解析アプローチAnalysis approach to causes of discoloration and stain.

半導体のリードやはんだボールに、変色やシミが発生する場合があります。考えられる原因は、熱工程や大気中の硫黄、フラックス中のハロゲン、構成材料に含まれる添加物や不純物など多岐に渡るため、分析にあたっては、環境由来なのか製品由来なのかを留意することが重要です。
不具合対策後は、環境試験により信頼性を確認することができます。

変色とシミが!

半導体製品を大気中に放置しておくだけでも、変色やシミが発生します。より過酷な環境下では マイグレーションの発生による隣接ピンとのリーク不良や、配線の金属が腐食し、流出して断線に至るなど、さまざまな不具合が発生する可能性があります。

大気中に放置したBGAの変色・シミ

大気中に放置したBGAの変色・シミ

BGA側面光学顕微鏡像

光学顕微鏡像

めっき引き出し線の変色

BGA裏面光学顕微鏡像

反射電子像

はんだボール脇のシミ

光学顕微鏡像

※変色やシミを伴わないリーク不良は、半導体故障解析の手順や実装部品の故障解析技術をご参照ください。

汚染源は、環境それとも製品そのもの?

汚染源は、環境それとも製品そのもの

モールド樹脂

パッケージ基板

はんだボール

ハロゲン物質が
含まれていることがあります。

はんだボールそのものは汚染物質を含有していません。
しかし、フラックスにハロゲン物質やカルボン酸などを含有している場合があります。

ソルダーレジストにはS,Ba,Brが、
基材にはCaが含まれていることが
あります。

変色やシミがある箇所の元素分析だけでは、
不具合の解決には不十分です。

シミを分析してみると・・・

はんだボールから染みだしたように見える『シミ』。観察・分析と不具合解析の経験を基に、たとえば、このシミがウォーターマークなのか、何らかの汚染によるものかを明らかにできます。

EDS定性分析

SEM/EDSで、どのような元素が含まれるのかどのように分布しているのかを分析することができます。試料が大きい場合は、ED-μXRFで非破壊で分析することも可能です。

EDS定性分析

二次電子像
(加速電圧:6kV)

特異な元素として、【Na】【S】を検出しています。
【S】はソルダーレジストに含有されているため、定性分析だけでは汚染なのか母材由来なのか区別がつきません。

EDSマッピング

EDSマッピング

SE

Sn

S

Si

O

EDSマッピング像

マッピングの結果、シミは【Sn】、ソルダーレジスト上に点在する異物は【Siの酸化物】であることが分かります。Sは局所的に点在しているため、母材由来だけではなく汚染物質が付着した可能性があります。

母材の構成成分についての知見と分析データから考察することが、
原因の究明につながります。

変色を分析してみると・・・

めっき引き出し線は半導体パッケージの側面に露出しているため、大気中の汚染源により腐食に至ります。EPMAで汚染元素の分布を、TOF-SIMSでは結合状態まで分析することができます。

EPMA(WDS)分析

EPMA(WDS)分析

EPMAマッピングの結果、【Cl】が変色面全面に、【S】が部分的に点在していることが分かりました。

その他検出した元素
Si,Al:半導体パッケージのフィラー成分
O:エポキシ成分およびCuの酸化
C:エポキシ成分
Cu:めっき引き出し線の母材

TOF-SIMS分析

TOF-SIMS分析

感度の良いTOF-SIMSで分析することで、【Na】や【K】も存在していることが分かります。また、変色したCuは、【CuCl2】や【CuSO4】として存在していることが分かります。

汚染元素の分布とその結合状態の分析が、
腐食源の同定につながります。

汚染はどこからやってきた?

腐食の原因となる元素は、外部からだけではなく、製品に使われている添加剤が原因となる場合があります。製品に悪影響を与える物質が使用されていないかどうかの調査も必要です。

GC/MSによるデガスの分析

製品に使用されている樹脂の添加材や基材などの有機成分は、GC/MSで精度良く分析することができ、樹脂の変色原因調査によく用いられます。GC/MSは、試料を少しずつ加熱することで気化させ、中空のカラムに導入します。各成分を分離・イオン化し、質量分析計でマススペクトルを取得することで成分の同定を行います。

GC/MSによるデガスの分析

加熱

加熱

加熱

成分分離

イオン化

質量分離

検出器

検出されたガスはいずれもエポキシ由来で、腐食の原因となる元素は検出していません。
このことから、変色は製品由来ではないことが分かります。

ICによるハロゲン・硫黄の分析

製品に含まれるハロゲン・イオウ成分は、熱加水分解分離システム(自動試料燃焼装置)を備えたICで精度良く分析することができます。約1,000℃に加熱した管状電気炉に試料を導入し、加熱水蒸気とキャリアガスを送ると試料が加水分解します。発生した物質を吸収液に吸収させ、ICにより分析を行います。

イオンクロマト分析
※自動試料燃焼装置:熱加水分解分離〜測定溶液作製までを自動化
元素 検出量
(mass ppm)
Cl
80
F
500
SO4
7000
point

腐食の原因になる物質が、環境由来なのか製品由来なのかを
適切な分析で判別することができます。

さまざまな環境での耐性を評価する

さまざまな環境での使用を想定した環境試験を行うことで、設計面、製造面での不具合を見いだすことができます。当社はISO17025の試験所認定を取得しており、管理された環境と確かな手順による環境試験サービスをご提供します。独自の仕様に基づいた試験条件や、電子部品以外のガラスなど、さまざまな電子材料にも対応します。

さまざまな使用環境

さまざまな使用環境に表現

対応する環境試験規格

対応する環境試験規格

適切な環境試験により製品の信頼性を確認することで、
市場への不具合品の流出を未然に阻止することができます。

関連情報

[更新日:2018/04/11]

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