低加速電圧走査電子顕微鏡 Low Accelerating Voltage Scanning Electron Microscope

低加速電圧走査電子顕微鏡は、電子線の加速エネルギーを下げることで二次電子の脱出深さを極浅くし、薄膜や表面汚染をより鮮明に観察することができます。また、低加速電圧領域にて照射電流量と電子放出量とのバランスを取ることで絶縁体でも帯電が減るため、ガラスなどを導電性コーティングなしで観察することが可能です。

原理

SEMは、真空中で固体試料に細く絞った電子線を照射し、試料表面から発生する二次電子・反射電子などの信号を検出することで、試料の形態観察ができる装置です。
光学顕微鏡に比べて焦点深度が深いため、凹凸のある試料でも広範にわたりピントの合った立体的な画像が得られます。

装置外観
装置外観

特徴

  • 低加速領域(0.1~1.0keV)で高分解能観察
    • 0.1~30keVまで可変させながら観察可能
  • 5種の検出器の特徴を生かした観察と分析
    • In-LensSE検出器(低エネルギー二次電子を検出)
      極表面の状態を反映した像が得られます。
    • SE2検出器(高エネルギー二次電子を検出)
      表面の凹凸を反映した像が得られます。
    • EsB検出器(反射電子のエネルギーを選択して検出)
      組成情報を反映した像が得られます。
    • AsB検出器(反射電子の散乱角度を選択して検出)
      結晶方位情報を反映した像が得られます。
    • EDS検出器(特性X線のエネルギーを選択して検出)
      特定元素にて低加速電圧で高空間分解能分析が可能。

用途

  • 極薄膜・最表面の微細構造観察
  • ガラス表面の汚染物・欠陥などの形状観察
In-LensSE検出器像
In-LensSE検出器像
  • 記録メディア(DVDなど)の記録マーク観察
  • 高空間分解能元素分析(一部元素)
EsB検出器像
EsB検出器像

ブルーレイディスク(BD)市販品の表面観察例(同一視野)

[ 更新日:2024/02/26 ]

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